令和6年度草の根・人間の安全保障無償資金協力 「西部州ナロロ郡中等学校校舎建設計画」贈与契約署名式

令和7年2月27日
  
 
 2025年2月25日、令和6年度草の根・人間の安全保障無償資金協力「西部州ナロロ郡中等学校校舎建設計画」の署名式が執り行われ、竹内一之大使とシアンダ中等学校校長、シムタニ・ムコロロ氏との間で64,766米ドルを限度とする贈与契約が締結されました。本プロジェクトにより、中等学校専用の教室ができ、小学校のクラスの混雑が緩和され、子どもたちの学習環境が大幅に改善されることが期待されます。
 署名式には、ダグラス・シヤカリマ教育大臣、イマンガ・ワムニマ・ジュニア・ナロロ選挙区選出議員をはじめとする関係者が出席し、教育への投資の重要性を改めて確認しました。シアンダ中等学校は、1918年に創立されたシアンダ小学校を母体とし、ナロロ郡にわずか4つの中等学校のうちの1校として、周辺地域の小学校10校の卒業生を受け入れています。しかし、現在は専用の校舎を持たず、シアンダ小学校の8教室のうち4教室を借用している状況です。本プロジェクトにより、シアンダ中等学校に初めて専用の校舎が整備され、国家卒業資格試験を受ける約120名の9年生と12年生が屋内で補習授業を受けることが可能となります。さらに、小学校の教室の混雑が解消され、子どもたちの学習環境の向上にも寄与することが期待されています。
 式典では、竹内大使が「ご縁」という日本の概念について触れながらスピーチを行いました。「ご縁」とは、人と人とを結びつける特別なつながりを意味します。大使は、日本での留学を経て、ザンビアの教育向上に貢献することを志したシアンダ中等学校の教員の尽力がきっかけで、このプロジェクトが実現した経緯を紹介しました。ザンビアの子どもたちが国外に留学しなくても質の高い教育を受けられるようにしたいという同教員の想いは、多くの参加者の共感を呼びました。
 また、竹内大使は、本プロジェクトが両国の架け橋となり、更なる文化・教育交流を促進することへの期待を述べました。この贈与契約への署名は、単なる建設事業の開始ではなく、教育を通じた国際協力の新たな一歩となるものです。本協力関係が、教育の機会を向上させ、相互理解を深め、また日本とザンビアの今後の取組をますます促進させることが期待されます。
 日本政府は、本案件によってシアンダ中等学校における教育環境が向上し、地域の子どもたちが日本とザンビアとの懸け橋となり巣立っていくことを祈念します。

本式典における竹内大使のスピーチはこちら