令和5年度補正予算(対ザンビアUNICEF拠出金)「気候ハザードの影響によるザンビア東部州及びムチンガ州の脆弱なコミュニティ、女性及び子供の間のコレラ及び栄養失調への人道的ニーズへの対応 」プロジェクトに係る現地視察
令和6年11月26日



2024年11月20日から22日にかけて、大湊参事官は、令和5年度日本政府補正予算による対ザンビアUNICEF拠出案件である「気候ハザードの影響によるザンビア東部州及びムチンガ州の脆弱なコミュニティ、女性及び子供の間のコレラ及び栄養失調への人道的ニーズへの対応 」プロジェクト(限度額:488,981米ドル)の実施地の一つである、東部州ルメジ郡を訪問しました。
本プロジェクトは、2022年から2023年にかけての雨季の集中豪雨で被害を受けた地域を対象に、洪水の影響を受けたコミュニティにおける疾病負担や栄養面への支援をするとともに、コレラをはじめとする水媒介感染症の予防を目的としています。2024年1月から2025年1月までの1年間、栄養失調児の早期発見と治療、栄養素の補給や乳幼児給食の改善を通じた栄養不良の予防に取り組むほか、地域や医療現場での衛生行動の促進や啓発活動を行い、感染リスクを抑制します。また、栄養部門の関係者の能力強化や緊急対応の調整、地域の栄養状況の評価を通じて包括的な支援体制を構築することも目指しています。
視察に先立ち、大湊参事官は東部州のルイス・ムワペ副次官及びルメジ郡のルフェヨ・ンゴマ郡コミッショナーを表敬訪問し、プロジェクト実施への協力に感謝の意を表明するとともに、引き続きプロジェクト実施へ向けての協力を要請しました。先方からは、日本政府の支援を通じたUNICEFの活動への感謝が述べられました。
現地では、カトゥベ地区の保健施設を訪問し、子どもの発育検査や栄養治療食品(RUTF)の配給状況を視察しました。これらの取組は地域に定着しつつあり、プロジェクトの成果が確認されました。また、同地区内のトーマス集落では住民と意見交換を行い、徒歩で2時間を要するカトゥベ地区保健施設へのアクセスの困難さや、唯一の井戸に依存した水確保の課題、さらに2023年から2024年にかけての史上最悪とも言われる干ばつの影響で食料が不足し、主な食料はナッツ及びマンゴーのみという状況など深刻な問題が明らかになりました。
日本政府は、本プロジェクトを通じて、コレラ予防を含む包括的な支援を継続し、脆弱なコミュニティにおける健康や福祉の向上に貢献してまいります。