草の根・人間の安全保障無償資金協力(官民連携)「西部州カオマ郡マンガンゴ浄水施設整備計画」署名式
平成28年10月14日

2016年10月10日,「西部州カオマ郡マンガンゴ浄水施設整備計画」の署名式が行われ,榊原修一臨時代理大使とヴィレッジウォーターザンビアのエリーシャ・ンゴノモ・エグゼクティブディレクターとの間で,197,894米ドルを限度とする贈与契約が締結されました。
ヴィレッジウォーターザンビアは,2005年に西部州で活動を開始し,これまで,西部州を中心に453基以上の井戸を設置するとともに,コミュニティにおけるオーナーシップ,衛生教育,施設設置後の維持管理のために尽力してきました。しかしながら,西部州のマンガンゴ地区では,古井戸の枯渇やポンプの故障により,住民は清潔で安全な水にアクセスできませんでした。そのため,小さな子どもや女性が,同地を流れるルエナ川からの水汲み及び運搬を担っていました。水汲労働のため学校に通うことのできない児童も多く,また,不衛生な水の使用による下痢やビルハルツ住血吸虫症,回虫といった感染症の被害も深刻です。ザンビア政府も,清潔な水を供給することを政策目標としていますが,現在,人口の三分の一にあたる480万人が安全で清潔な水にアクセスできていません。
そのため,日本政府は,ザンビアの人々がより清潔な水へアクセスできるよう,「西部州カオマ郡マンガンゴ浄水施設整備計画」を支援することと致しました。これにより,マンガンゴ地区の住民,8,112人が安全な水にアクセスできるようになります。さらには,感染症被害の軽減や人々の生活の質の向上に寄与することが期待されます。
この計画は,日本企業であるヤマハ発動機株式会社と連携して進められます。被供与団体が購入する浄水施設はヤマハ発動機製です。同社は製品の提供に加え,機材を設置し,コミュニティにおける維持管理のためのトレーニングを実施します。ヤマハ発動機株式会社は,主力商品の二輪車や船外機が有名ですが,浄水施設整備についてもアフリカ各地で実績があります。この計画の実施により,今後,高い技術力と現地に根ざした実績を持つ多くの日本企業が,ザンビアで公益性の高い事業を展開しこの国の発展に資することが期待されます。
本署名式における榊原臨時代理大使のスピーチはこちら。