ザンビア政府による「国家稲作振興戦略(NRDS)」発表式


 

 9月8日(木)、首都ルサカにおいて、ザンビア政府が策定した「国家稲作振興戦略」(NATIONAL RICE DEVELOPMENT STRATEGY、以下、NRDS)の発表式が執り行われました。このNRDSは、2008年5月に横浜で開催されたTICADⅣの場において、アフリカにおけるコメ生産を10年間で倍増することを目標として立ち上げたイニシアティブであるCARD(COALITION FOR AFRICAN RICE DEVELOPMENT:アフリカ稲作のための共同体)の取り組みの一環として、ザンビア政府が策定したものです。NRDSの策定には日本政府、JICAが協力を行ってきました。発表式には、在ザンビア日本大使館やJICAザンビア事務所の関係者が招待され、出席しました。
 近年、ザンビアでは消費者の間でコメの人気が高まっていて、急激にコメの需要が伸びており、生産が需要に追いつかない状況となっています。また、ザンビア政府が進める作物多様化を推進する観点からもコメの生産拡大は重要な課題となっていることから、日本は長い間、ザンビアの西部州モング地域などでコメの栽培に関わる協力を行ってきています。最近では、アフリカに適した品種として日本がアフリカと協力して開発したネリカ米の普及に向けた協力も展開しています。日本が支援して策定されたNRDSは、日本のコメ生産支援の大きな柱の一つとしても位置づけられるものであり、ザンビアにおけるコメの生産拡大を後押しするものとしてザンビア国民から期待されています。
 NRDSでは、コメの改良品種を進めつつ、天水湿地、天水畑地及び灌漑水田の3つの全ての農地面積を拡大し、2018年までに粗生産量を現在の4.1万トンから12.6万トンへと約3倍に増やすことを目標としています。ザンビア政府は、このNRDSの目標を達成するために、JICAが実施している技術協力プロジェクトFODIS(食糧安全保障のための食用作物多様化支援プロジェクト)やRESCAP(農村振興能力向上プロジェクト)等のプロジェクトとの連携を図りつつ、他ドナーや民間会社との協力も行いながら、コメの生産拡大を図ることとしています。
 この度の発表式には200名以上の政府関係者、農業団体、NGO関係者、民間企業など多くの関係者の参加があり、たくさんの意見やコメントが出席者から出されるなど、コメ生産に対するザンビア人の将来への意気込みや夢に満ちあふれた式典となりました。また、日本に対する一層の期待が感じられる式典でもありました。今後、NRDSが、ザンビアにおけるコメ生産の拡大と食糧安全保障に貢献し、ひいてはザンビア経済全体の発展に寄与していくことが期待されます。同時に、コメを通じた日本との関係が深まることも期待されます。


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